「自分に嘘をつかずに生きていくこと」を学んだ陸ガメが、先行く人を気にせず、ゆっくりと一歩づつを歩みながら思うことを書いていく。

180121 考え方、感情と脳

人はなぜ様々な感情、考え方を持つのか、 心と脳の関係性は興味深い。電気化学的な変化が感情や考えを生むことはしくみとしてぼんやりと理解できるが、やはりその因果関係には大きな隔たりがあり、脳の不思議さを感じる。

そんな観点からも興味深い本だ。

脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか (岩波科学ライブラリー)

脳に刻まれたモラルの起源――人はなぜ善を求めるのか (岩波科学ライブラリー)

 

様々な倫理的、政治的、社会的判断、感情の違いが、脳の器質的な違いで説明できる可能性があると、多くの脳計測の論文や実験から説明をしている。もちろん仮説もある。

その中で印象的なことは「孤独感」の強弱が脳のある部位と相関関係があるとの話。その部位は「社会的な信号」を知覚する機能部位でその部位の機能の高低が孤独感の強弱になるとのこと。社会的な信号を読み取れない事が孤独感の始まりで、低機能ゆえに社会的な信号を読み取ることが苦手な人が、上手く生活できないことで結果的に孤独感を強める可能性があると。

なるほど、確かに犬猫でも、誕生から1,2か月程度は母親と兄弟たちと一緒に暮らし、その後1歳程度までそれぞれの社会(群れ)の中で基本的なお作法を学ぶ「社会化」が重要である。その初期の社会化時期に人間が邪魔をせず、さらにその後に人がうまく介入して人間社会に慣れさせることで、動物と人が共生がうまくいく事が知られており、「社会化」の重要性が言われている。そして動物愛護法にその主旨は織り込まれている。動物の種によって遺伝的な傾向はあるものの、その後の環境(例えば教育)でコミニュケーションを上手くとる方法論を具体的に教え、経験を積むことで「孤独」は回避できる可能性があることは、人でも容易に想像がつく。

そして自分自身を振り返ると、孤独感が強く、コミニュケーションが苦手である。この状態は遺伝的な器質と環境的な影響を受けて、この当該部位が平均より機能的に低い可能性があると科学的には納得しておこう。しかし実際は今後の自己鍛錬で挽回しようと改めて思う。幸いにも苦手だろうが、得意だろうが、とにかく最善をつくさねばならない環境になっている。

感じていることが定性的にでも説明され、納得できたことに感謝する。

ありがとう